夏の熱中症を食事で予防する方法|看護師が教える水分と電解質の話

予防食・健康食事

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この記事でわかること

  • 「水を飲んでいたのに熱中症になる」理由
  • 水分と電解質(ナトリウム・カリウム・マグネシウム)の補給のしかた
  • 熱中症を予防する食事と、避けたい習慣
  • 初期サインと、受診・救急の目安

「水を飲んでいたのに」熱中症になる理由

「こまめに水を飲んでいたのに、熱中症になった」という話は、毎年聞かれます。汗で失われるのは、水分だけではありません。ナトリウム(塩分)やカリウムなどの電解質も、一緒に失われます。

大量に汗をかいたときに、水だけを補給すると、体内の電解質のバランスが崩れることがあります。この記事では、水分と電解質の補給、食事、サインの見分け方を、全体から整理します。熱中症になったあとの食事は、熱中症になった後の食事回復法で別にまとめています。

熱中症が起きる仕組み

熱中症は、暑さで体温の調節が追いつかなくなることで起きます。

  1. 暑さや運動で、体温が上がる
  2. 汗をかいて、体温を下げようとする
  3. 汗と一緒に、水分とナトリウム・カリウムなどが失われる
  4. 水分や電解質が不足し、体温の調節がうまくいかなくなる

高齢の方は、のどの渇きを感じにくくなります。気づいたときには、脱水が進んでいることもあります。

電解質それぞれの役割

電解質主な役割
ナトリウム体液のバランスの維持、神経の伝達
カリウム筋肉の収縮、細胞内の水分バランス
マグネシウム筋肉の動き、神経の調整、エネルギーの産生

いずれも、体内で作れないため、食事や飲み物からとる必要があります。

水分の取り方

  • こまめに、少しずつ:一度に大量に飲まず、時間を決めて少量ずつ飲む
  • 渇く前に飲む:のどが渇いたときには、すでに不足が始まっていることがある
  • 日常は、麦茶や水:食事から塩分がとれていれば、水や麦茶で足りる
  • 大量に汗をかいたとき:経口補水液やスポーツドリンクで、水分と塩分を補う(糖分が多い製品もあるため、日常的に飲み続けるのは避ける)

コーヒー・緑茶(カフェインを含む)、アルコール、甘い清涼飲料水は、水分補給の中心にはしないほうがよいでしょう。特にアルコールは、脱水につながりやすい飲み物です。

塩分(ナトリウム)の補給

普段は減塩を心がけながら、夏に大量に汗をかいたときだけ、塩分を補うという意識が大切です。

食品・方法塩分の目安
梅干し(1個)約1〜2g
味噌汁(1杯)約1〜1.5g
経口補水液(500ml)約1.5g

注意:高血圧・腎臓病・心臓病などで、塩分や水分の制限を受けている方は、補給の方法を、主治医に相談してください。

カリウムとマグネシウムをとる

カリウムは、野菜・果物・豆類・海藻に多く含まれます。

食材カリウム量(100gあたりの目安)
アボカド約720mg
ほうれん草(生)約690mg
納豆約660mg
バナナ約360mg

(日本食品標準成分表をもとにした目安です。)

マグネシウムは、わかめ・ひじきなどの海藻、ナッツ類、豆腐、納豆、玄米に含まれます。夏に足がつりやすい方は、食事のバランスを見直してみてください。

【注意】腎臓病のある方は、カリウムの制限が必要な場合があります。診断を受けている方は、必ず主治医に食事内容を確認してください。

熱中症を予防する食事

  • 3食しっかり食べる:食事を抜くと、水分も電解質もとりにくくなる。食欲がないときは、冷奴、バナナとヨーグルト、梅干し入りのお粥など、食べやすいものから
  • 夏野菜を食べる:きゅうり・トマト・なす・ゴーヤなど、水分とカリウムをとりやすい
  • たんぱく質を毎食:卵・豆腐・納豆・魚(サバ缶やツナ缶も手軽)

1日の電解質補給の組み立て例

  • 朝:常温の麦茶、梅干し入りのおにぎり、わかめと豆腐の味噌汁、バナナ
  • 昼:鮭定食、ほうれん草のおひたし、もずく酢
  • 夜:冷奴、ひじきの煮物、蒸し鶏
  • 外出・運動時:麦茶や水を少量ずつ。大量に汗をかく日は、塩分補給の手段も携帯する

熱中症になりやすい食習慣

習慣理由
朝食を抜く水分・塩分・エネルギーの補給が減る
前夜のアルコール脱水のまま、朝を迎えやすい
水分が甘い飲み物だけ糖分が多く、電解質のバランスが偏りやすい
食欲不振で食事を減らす電解質が不足しやすい
「のどが渇いてから飲む」不足に気づくのが遅れる

熱中症のサインと、対応の目安

重症度主なサイン対応
軽いめまい・立ちくらみ、大量の発汗、筋肉のこむら返り、だるさ涼しい場所で休み、水分と塩分を補給する
中くらい頭痛、吐き気、体がぐったりする、集中力の低下体を冷やし、水分を補給しながら、医療機関を受診する
重い呼びかけへの反応が鈍い・意識がない、けいれん、自分で水が飲めないためらわず、救急車(119番)を呼ぶ

症状が出たら、まず涼しい場所へ移り、衣服をゆるめ、首・わき・太ももの付け根などを冷やします。意識がはっきりしない状態で、無理に飲ませてはいけません。

現場で感じる、共通するパターン

熱中症で受診される方の話を伺うと、次のような傾向が見られることがあります(あくまで現場での印象で、個人差があります)。

  • 朝食を抜いていた、または少量だった
  • 水やスポーツドリンクしか飲んでいなかった
  • 前夜にアルコールを飲んでいた
  • 室内だから大丈夫と思っていた
  • 高齢で、のどの渇きを感じにくかった

室内でも、熱中症になることがあります。特に、高齢の方や、持病のある方は、周囲の人も、声をかけてあげてください。

まとめ:熱中症予防は「水分+塩分+食事」

  • 渇く前に、こまめに水分をとる(日常は麦茶や水)
  • 大量に汗をかいたときは、塩分も補う
  • 3食しっかり食べ、カリウムやマグネシウムをとる
  • 前夜のアルコールや、朝食抜きを避ける
  • 症状が出たら、休む・冷やす・補給する。重いときは救急へ

熱中症は、日々の食事と水分補給の積み重ねで、リスクを下げられます。

よくある質問

Q. 水だけを飲んでいても、大丈夫ですか?
A. 日常の軽い活動では、食事から塩分がとれていれば、水や麦茶で足ります。大量に汗をかく場面では、塩分も補ってください。

Q. スポーツドリンクは、毎日飲んでよいですか?
A. 糖分が多い製品もあります。日常の水分補給は水や麦茶を中心にし、大量に汗をかいたときに活用してください。

Q. 高血圧ですが、塩分を補給してよいですか?
A. 塩分の制限を受けている方は、自己判断で補給せず、主治医に相談してください。


この記事を書いた人:いっしん(准看護師10年以上・元居酒屋オーナー)
専門:予防医学・食事療法
運営:yoboshoku.com
※本記事は医療行為や診断を目的としたものではありません。症状のある方は医療機関にご相談ください。

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