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この記事でわかること
- 高血圧が起きる仕組みと、「減塩だけでは足りない」理由
- 血圧管理に役立つ食べ物・飲み物(カリウム・青魚・発酵食品・食物繊維)
- 減塩の正しいやり方と、塩分の多い食品
- 血圧を上げやすい習慣と、受診の目安
「減塩しているのに血圧が下がらない」には理由がある
「塩分を減らしているのに、血圧が下がらない」。診察や相談の場で、よく聞く言葉です。
減塩は、血圧管理の基本です。ただ、減塩だけでなく、カリウムをとること、食事全体のバランス、生活習慣を合わせて見直すと、取り組みやすくなります。この記事では、高血圧の食事を全体から整理します。
季節別の注意点は、夏の高血圧対策・冬に血圧が上がる理由と食事をご覧ください。
高血圧が起きる仕組みと、怖い理由
血圧は、心臓が送り出す血液の量と、血管の抵抗によって決まります。血圧が上がる主な要因は、次のとおりです。
- 塩分のとりすぎ:血液中のナトリウムが増え、水分を引き込んで、血液量が増える
- 血管が硬くなる(動脈硬化):血管の抵抗が上がる
- ストレス・睡眠不足:交感神経が優位になり、血管が収縮する
日本では、成人の約3人に1人が高血圧とされています。高血圧が怖いのは、自覚症状がほとんどないまま進むことです。気づかないうちに、血管・心臓・腎臓・脳に負担がかかり、脳卒中や心筋梗塞などにつながるおそれがあります。症状がないからこそ、今の食習慣から見直すことに意味があります。
血圧管理に役立つ食べ物・飲み物
① カリウムを、毎日とる
カリウムは、体内の余分なナトリウム(塩分)を、尿として排出するのを助ける栄養素です。減塩(入ってくる塩分を減らす)と、カリウム(出ていく塩分を増やす)を組み合わせるのが、基本の考え方です。日本人は、カリウムの摂取量が目標に届いていない人が多いといわれています。
| 食材 | カリウム量(100gあたりの目安) |
|---|---|
| アボカド | 約720mg |
| ほうれん草(生) | 約690mg |
| 納豆 | 約660mg |
| バナナ | 約360mg |
(日本食品標準成分表をもとにした目安です。調理法や産地で変わります。)
取り入れ方のコツ:バナナを朝食に足す/味噌汁・スープで野菜を汁ごと食べる(ゆでると水に溶け出すため)/納豆を毎朝の習慣にする。詳しい食材と食べ方は、高血圧に効くカリウムの食べ方にまとめています。
【注意】腎臓病のある方は、カリウムの制限が必要な場合があります。腎機能が低下すると、カリウムを排出しにくくなり、血中濃度が上がって不整脈のリスクが高まります。診断を受けている方は、必ず主治医に食事内容を確認してください。
② 青魚を、週に数回食べる
サバ・イワシ・サケなどの青魚には、EPA・DHAが含まれます。血管や脂質の代謝に関わる成分で、食事バランスを整える助けになります。缶詰なら、手間がかからず、続けやすい食材です(塩分の少ない水煮タイプなどを選ぶとよいでしょう)。
③ 発酵食品・食物繊維を、毎食に足す
納豆・味噌汁・もずく酢・わかめ・きのこなどは、腸内環境を整える食材です。食事全体の質を上げる意味でも、毎食に1品足すことをおすすめします。
④ 飲み物を、見直す
麦茶は、カフェインを含まず、日常の水分補給に向いています。緑茶・コーヒーはカフェインを含むため、とりすぎには注意が必要です。甘い飲み物は、体重増加につながりやすいため、習慣的な摂取は避けましょう。
減塩の正しいやり方
日本高血圧学会は、高血圧の方の食塩摂取を、1日6g未満としています(WHOは、成人で1日5g未満を推奨)。
薄くするより、風味を変える
減塩が続かない理由は、「物足りなくなる」ことです。塩の代わりに、酸味・香り・うま味を使うと、満足感を保ちやすくなります。
- 酸味:レモン・酢・柚子を、仕上げに
- 香り:ねぎ・しょうが・にんにく・ハーブ
- うま味:昆布・かつお節・干ししいたけのだし
- 醤油・味噌は、「かける」より「つける」
- 外食やインスタントでは、汁を残す
塩分の多い食品(目安)
| 食品 | 塩分の目安 |
|---|---|
| 梅干し1個 | 約1〜2g |
| ラーメン1杯(汁を飲み干した場合) | 約5〜6g |
| 味噌汁1杯 | 約1〜1.5g |
| 醤油 大さじ1 | 約2.5g |
血圧を上げやすい食習慣
| 習慣 | 血圧への影響 |
|---|---|
| 塩分のとりすぎ(加工食品・外食) | ナトリウム過多で、血液量が増えやすい |
| アルコールの飲みすぎ | 血圧を上げやすくなる |
| 甘い飲み物・お菓子 | 体重増加を通じて、血圧に影響しやすい |
| カフェインの過剰摂取 | 一時的に血圧が上がることがある |
| 野菜・海藻の不足 | カリウムが不足しやすい |
現場で感じる、食事のパターン
高血圧で通院している方に、食事の内容を伺うと、次のような傾向が見られることがあります(あくまで現場での印象で、個人差があります)。
- ラーメン・うどんなどの麺類を、頻繁に食べる
- 野菜が少ない
- 漬物・梅干しが好きで、毎食食べる
- 減塩醤油を使っているが、量が多い
食事の見直しで、血圧が改善する方もいます。薬を飲んでいる方は、自己判断で、やめたり、量を変えたりしないでください。調整は、必ず医師が判断します。
薬と食事の関係は、高血圧の薬を飲む前に試してほしい食事の変え方も参考にしてください。
今日から始める3ステップ
- 朝食に、バナナか納豆を1つ足す(カリウム)
- 汁物は、具を多めに、汁を少なめに(減塩)
- 麺類の汁を、残す(減塩)
全部を一度に変える必要はありません。まず、1つだけ、始めてください。
血圧の目安と、受診のタイミング
家庭で測る血圧では、135/85mmHg以上が、高血圧の目安とされています(診察室では140/90mmHg以上)。朝と晩に、決まった時間に測り、記録しておくと、変化に気づきやすくなります。
- 高い数値が続く(家庭血圧135/85mmHg以上が続く)
- 頭痛・めまい・動悸がある
- 食事を変えても、数か月で改善しない
このような場合は、医療機関に相談してください。強い頭痛・胸の痛み・ろれつが回らない・手足の麻痺などがあるときは、ためらわず救急に連絡してください。
まとめ:高血圧の食事は「減塩+カリウム+全体のバランス」
毎日やること
- カリウムの多い食材(バナナ・野菜・納豆・海藻)を足す
- 青魚を、週に数回
- 発酵食品・食物繊維を、毎食に1品
減塩のポイント
- 醤油・味噌は「つける」、だしと酸味・香りで満足感を出す
- 加工食品・外食・麺類の汁を減らす
やめる・控えること
- アルコールの毎日の摂取
- 漬物・梅干し・麺類の食べすぎ
食事の用意が負担で、続かない場合は、塩分や栄養バランスに配慮した宅配食を、補助的に使う方法もあります。
よくある質問
Q. カリウムのサプリは、食事の代わりになりますか?
A. 食事からの摂取が基本です。サプリは、食事で補えない場合の補助として使ってください。腎臓の病気がある方や、服薬中の方は、使う前に、医師に相談してください。
Q. 血圧を下げる効果は、どのくらいで出ますか?
A. 個人差があります。食事を見直して、1〜3か月ほど続けて、数値の変化を見る方が多いです。毎日の記録が役立ちます。
Q. 降圧薬を飲んでいても、食事の見直しは意味がありますか?
A. 意味があります。ただし、薬の変更は、必ず主治医と相談してください。
この記事を書いた人:いっしん(准看護師10年以上・元居酒屋オーナー)
専門:予防医学・食事療法
運営:yoboshoku.com
※本記事は医療行為や診断を目的としたものではありません。症状のある方は医療機関にご相談ください。


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