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この記事でわかること
- コレステロールが高くなる原因と、食事で変えられること・変えにくいこと
- 脂質の種類と、選び方(控えたい脂質・とりたい脂質)
- LDLコレステロールの対策に役立つ食べ物
- 3か月の進め方と、受診の目安
「コレステロールが高い=脂っこいものの食べすぎ」は半分だけ正しい
健診で「LDLコレステロールが高め」と言われると、「揚げ物や卵を食べすぎたせい」と思いがちです。ただ、体内のコレステロールは、約7〜8割が肝臓で作られるとされています。食事から入る分は、残りの一部です。
そのため、コレステロールを下げるには、「油をやめる」のではなく、「どの脂質を選ぶか」と「食事全体のバランス」を見直すことが大切です。この記事では、コレステロールの食事を、全体から整理します。
コレステロールの基本
コレステロールは、細胞膜やホルモン、胆汁酸の材料になる、体に必要な脂質です。問題になるのは、バランスが崩れたときです。
| 種類 | 役割 | 目安(健診の基準) |
|---|---|---|
| LDL(悪玉) | コレステロールを全身に運ぶ。増えすぎると血管の壁にたまりやすい | 140mg/dL以上で要注意 |
| HDL(善玉) | 余分なコレステロールを回収する | 40mg/dL未満で要注意 |
| 中性脂肪 | エネルギーの貯蔵。増えすぎると動脈硬化の要因になる | 150mg/dL以上で要注意 |
基準値は、検査の種類や、持病・年齢で変わることがあります。ご自身の数値の意味は、医師に確認してください。
コレステロールが上がりやすい要因
- 飽和脂肪酸のとりすぎ:肉の脂身・バター・生クリームなど
- トランス脂肪酸:マーガリン・ショートニングを使った菓子パンやお菓子、揚げ物など
- 糖質・甘い飲み物の習慣:中性脂肪が増えやすくなる
- 食物繊維の不足:コレステロールの排出に関わる
- 運動不足・肥満・喫煙・アルコール:HDLや中性脂肪に影響する
食事だけでなく、運動や禁煙とあわせて見直すことが基本です。
脂質は「種類」で選ぶ
| 脂質の種類 | 多く含む食品の例 | 考え方 |
|---|---|---|
| 飽和脂肪酸 | 肉の脂身・バター・生クリーム | とりすぎに注意。鶏むね肉・赤身肉に置き換える |
| トランス脂肪酸 | マーガリン・ショートニングを使った加工食品 | できるだけ減らす。原材料表示を確認する |
| 一価不飽和脂肪酸 | オリーブオイル・アボカド・アーモンド | 炒め油やドレッシングの油を置き換える |
| オメガ3脂肪酸 | サバ・イワシ・サケ・えごま油・亜麻仁油 | 青魚を週に数回。油は加熱せず、そのままかける |
LDLの対策に役立つ食べ物
① 青魚
サバ・イワシ・サケなどの青魚には、EPA・DHAが含まれます。脂質のバランスを整える食事の中心になる食材です。サバ缶やイワシ缶なら、手間がかからず、続けやすくなります。塩分の少ない水煮タイプなどを選ぶとよいでしょう。
② 水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は、腸の中でコレステロールの材料になる胆汁酸を吸着し、排出を助けると考えられています。
- 大麦・もち麦・オートミール
- 海藻類(わかめ・めかぶ・もずく)
- オクラ・なめこなど、ねばねばする食材
- りんご・柑橘類
食物繊維の種類の使い分けは、水溶性・不溶性食物繊維の違いで詳しく書いています。
③ 大豆製品
納豆・豆腐・豆乳・味噌汁など。大豆たんぱく質は、コレステロールを下げる働きがあるとされ、毎日の食事に取り入れやすい食材です。
④ 油の選び方を変える
炒め物やドレッシングの油を、オリーブオイルに置き換えます。えごま油・亜麻仁油は、加熱せず、豆腐やサラダにかけるのが向いています。1日小さじ1杯程度が目安です。
⑤ 間食を、ナッツに変える
お菓子や菓子パンの代わりに、素焼きのアーモンドやくるみを少量。食物繊維や不飽和脂肪酸をとれます。ただし、カロリーが高いので、1日の目安量(片手に軽くのる程度)を守ってください。
控えたい食べ物
| 食品 | 理由 |
|---|---|
| 肉の脂身・バター・生クリーム | 飽和脂肪酸が多い |
| マーガリン・ショートニングを使った菓子パン・お菓子 | トランス脂肪酸を含むことがある |
| 揚げ物(毎日) | 脂質が多く、油の質にもよる |
| 甘い清涼飲料水・缶コーヒー | 糖質が中性脂肪につながりやすい |
揚げ物や肉を、「ゼロにする」必要はありません。頻度と量を見直すことが現実的です。
「卵は食べてはいけない」は、古い考え方
かつては、卵を控える指導が広がっていました。現在は、健康な方が1日1〜2個程度食べても、血中コレステロールへの影響は小さいとされています。ただし、すでにLDLが高い方、脂質異常症の治療中の方、家族性の高コレステロール血症の方は、主治医の指示に従ってください。
1日の食事の組み立て例
- 朝食:オートミールや雑穀ごはん、納豆、無糖ヨーグルト
- 昼食:サバの味噌煮や焼き魚の定食、わかめの味噌汁、おひたし
- 夕食:鶏むね肉のオリーブオイル炒め、ひじきの煮物、きのこの煮物、もずく酢
- 間食:素焼きアーモンド少量、りんご半分、無糖ヨーグルト
3か月の進め方
血液検査の数値の変化は、食事を変えて、数か月後に現れることが多いとされています。次のように、段階を分けると続けやすくなります。
- 1か月目:減らす:マーガリンや菓子パン、甘い飲み物を見直す。揚げ物の頻度を下げる
- 2か月目:足す:青魚を週に数回。毎食、海藻か野菜を1品足す
- 3か月目:整える:納豆やオートミールを朝の習慣にする。食後の散歩など、運動を足す
3か月たったら、健診や再検査で、数値を確認してください。全部を一度に変えようとせず、1つずつ足していくのがコツです。
現場で感じる、食事のパターン
コレステロールが高い方の食事を伺うと、次のような傾向が見られることがあります(あくまで現場での印象で、個人差があります)。
- 毎朝、トーストにマーガリン、甘い飲み物
- 揚げ物より、市販のお菓子・菓子パンが多い
- 食事は気をつけていても、運動をほとんどしていない
脂質異常症は、ほとんど自覚症状がありません。ただし、動脈硬化は長い時間をかけて進むため、数値が分かっている今のうちに見直すことに意味があります。
こんなときは受診を
- LDLコレステロールが180mg/dL以上など、数値がかなり高い
- 家族に、若くして心筋梗塞や脳梗塞になった人がいる
- 食事を見直して3か月たっても、数値が下がらない
- 胸の痛み、息苦しさ、ろれつが回らない、手足のしびれなどがある(ためらわず救急へ)
薬による治療が必要なことも、食事だけでは足りないこともあります。自己判断で食事だけに頼らず、内科や循環器内科に相談してください。すでに薬を飲んでいる方は、自己判断で、やめたり、量を変えたりしないでください。
まとめ:コレステロールの食事は「選ぶ・足す・減らす」
- 選ぶ:油の種類を、オリーブオイルや青魚に寄せる
- 足す:海藻・大麦・大豆製品など、食物繊維とたんぱく質
- 減らす:マーガリン・菓子パン・甘い飲み物・揚げ物の頻度
あわせて、運動・禁煙・体重管理も大切です。同じ生活習慣病の食事は、高血圧を食事で下げる方法、脂肪肝を食事で改善する方法も参考にしてください。
よくある質問
Q. コレステロールは、食事だけで下がりますか?
A. 下がる方もいますが、体質や元の数値で差があります。食事・運動を見直しても改善しないときは、薬の相談も含めて、医師に相談してください。
Q. 油は、全部やめたほうがよいですか?
A. やめる必要はありません。油の種類を選び、量を整えることが大切です。
Q. 卵は、1日何個まで食べてよいですか?
A. 健康な方で、1〜2個程度であれば、影響は小さいとされています。数値が高い方は、主治医に確認してください。
この記事を書いた人:いっしん(准看護師10年以上・元居酒屋オーナー)
専門:予防医学・食事療法
運営:yoboshoku.com
※本記事は医療行為や診断を目的としたものではありません。症状のある方は医療機関にご相談ください。


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